キャリアウーマン
定年後の住宅費はどれくらい?
老後・定年後に係る住宅費用の平均は?!
多くのサラリーマンが危惧する問題のひとつに挙げられるのが老後資金。
少子高齢化が進む日本社会においては、老後の年金だけで生活できないことは周知の事実で、働けるうちに老後資金を貯蓄しておく必要があることは、皆さんもご認識のとおりです。
とは言え、実際にその状況にならないと実感が沸いてこないのも事実。
一般的に言われている定年退職後の平均支出は月々25~30万円前後、公的年金などの社会保障給付が約20万円前後(夫65歳・妻60歳)となるため、
毎月約10万円前後は貯蓄からの捻出が必要
となります。
仮に定年後の25年間に必要となる貯蓄額を計算する場合、
1年間で120万円×25年=3,000万円
として計算するのが一般的ではありますが、もちろん倹約家の方もいれば、家のリフォームが必要だったり、医療費負担などが大きい方もいると思いますので、あくまでこの金額は目安程度のお話です。
その支出のなかでも無視できないのが住宅費
定年後ともなると、すでに持ち家で住宅ローンも完済している方も多いかもしれませんが、逆に子供が自立したことで間取り的にも余剰が生まれ、改めてコンパクトなマンションなどへの住み替えを検討したり、リフォームされるご夫婦も多いことから、
定年後も何らかの形で住宅費が掛かり続ける
と考えておくのが無難。
無論、マンションであれば管理費・修繕費等、戸建てであっても同じく修繕費は必要になるのです。この記事では、定年退職後に掛かる住宅費について、賃貸の場合や持ち家の場合など、様々なケースで検証していきましょう。
▼関連記事
子供が結婚する
分譲の場合と賃貸の場合の住宅費を実費比較
皆さんも良くご存じのとおり、分譲マンションの場合、仮に住宅ローン自体が完済していたとしても、管理費や修繕費はその物件を所有する限り負担し続けなければなりません。
一方、戸建ての場合はそうした固定的な費用はありませんが、修繕費などは当然自身の貯蓄から捻出する必要があるため、条件としては分譲マンションと大差はありません。
一般的に住まいの種別で比較対象となるのは
1、戸建て
2、分譲マンション
3、賃貸
といった種別が比較になるかと思われますが、1と2につきましては自己所有となるので、月々の住宅費(管理費・修繕費、駐車場代等を含む)のほか、固定資産税の負担なども生じるのは改めて説明の余地はありません。
戸建てと分譲マンションの比較であれば、購入後の維持管理費用や駐車場代などの兼ね合いもあり、トータル的なコストは戸建ての方が割安になる傾向にありますが、資産価値という観点では、駅近など好条件の多い分譲マンションの方に分があるかもしれません。
総務省が公表する家計調査では、高齢夫婦無職世帯の実収入平均が約23万円、うち住居関連の支出が1.7万円となっております。また、持ち家比率も90%前後と、多くの世帯が持ち家であることから、年金等の
収入全体に掛かる住居費は7~10%程度
に抑えられているようです。
※出典:総務省・家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)
https://www.stat.go.jp/data/kakei/2019np/gaikyo/pdf/gk02.pdf
ただし、分譲マンションの場合は管理費や修繕積立金が値上がりする可能性もありますし、特にタワーマンションなどは管理費も高額になりがち。さらに、2018年以降に建てられた20階以上のマンションについては、高層階ほど課税評価も高くなり、固定資産税も高額になりつつあります。
総務省の調査における住居費の割合は、収入全体の7%前後程度ではありましたが、これはあくまで住宅ローンは既に完済し、
住居費がほとんどかからない夫婦
というのが前提になっていると思われることから、実際に自身の住居タイプやライフスタイルに照らし合わせプラス3~4万くらいの住宅費負担は想定しておいた方が良いかもしれません。
特に分譲マンションにおいては、管理費や修繕費などの値上がり、さらに大規模修繕時の修繕積立一時金などの負担もあることを想定しておく必要があります。
▼関連記事
老後のライフプランを考えないと
持ち家と賃貸・どちらに優位性があるの?
最後に賃貸との比較になりますが、賃貸の場合は当然毎月の家賃のほか、2年後となどの契約更新時に更新料が必要になる以外は、光熱費以外の自己負担はありません。仮に定年後、
・家賃月8万円
・生活期間25年
上記条件で賃貸した場合の住宅費は
8万円×12ヶ月×25年=2,400万円
この金額は更新料や火災保険料などは考慮しておりませんが、マンションなり戸建てなりを所有している夫婦の住宅費負担約1.7万円とくらべると、かなり月々の負担は大きくなり、場所や条件によっては中古マンション等の購入ができてしまうほど、トータルコストは大きくなります。
もちろん、老後ということもありますので、住宅ローンを組んだりすることは難しいですし、賃貸の場合でも高齢者夫婦の場合は入居を断られるリスクもあるようです。そうした背景もあり、近年では定年退職後に借家暮らしをしている世帯は大きく減少しています。
冒頭で挙げました家計調査ベースでの収入・支出平均は
・年金等の収入平均:約20万
・月々の支出平均:25~30万円前後
・賃貸家賃:6~8万前後
持ち家でも毎月10万円前後の不足が生じるほか、賃貸の場合さらに+6~8万の家賃負担が生じるため、少なくとも毎月15万~20万円前後が不足、25年トータルで考えると4,500万円以上の貯蓄がないと経済的にリスクがあるということを認識しておく必要があるでしょう。
▼関連記事
退職後の生活
記事カテゴリ―